最低な男


あたしの婚約者は最低な男だ。


お手洗いに行きたくなってちょっと会場を抜け出した。時間が経って、少し乱れてきた髪を何とか整えてからホールに戻る。
戻ろうと、した。
その途中、物陰に隠れた場所にいる婚約者を見つけた。そして、抱き合っている見知らぬ女性。
息もできないんじゃないかって思うほど深くくっついてた唇が離れた瞬間、相手の女性が呆然と立っていたあたしに気がついた。そして、「あら」とわざとらしい声を上げて申しけなさそうな顔を作る。
「ごめんなさい、エドガー。私、邪魔をしちゃったみたいだわ」
人の婚約者とキスをしておいて、『邪魔をしちゃった』?
元々そのつもりだったんじゃないのなんて、意地の悪いことが頭に浮かんでしまう。あぁ、どんどん性格が悪くなっていくみたい。
「またね、エドガー。今度は二人きりで会いたいわ。こんなつまらないパーティーじゃなくて」
さらりとエドガーの頬を撫でてから、赤いルージュの印象的な彼女は、深いスリットの入ったドレスの裾を颯爽とひるがえして去って行った。
一体今のは何なわけ?
立ち尽くすあたしに、エドガーはゆっくりと振り返る。口元を拭いながら。多分きっと、口紅がついたんだわ。
「リディア。今のは何でも無いんだ」
どの口がそんなふざけたことを言えるんだか。あたしの目の前のこの口だってわかっているけど。
「えぇそうね。今更あなたがどこの女性とお付き合いをしようが、キスをしてようが、あたしにとっては何でもないことだわ。どうせいつものことだもの」
「焼かなくても大丈夫だよ。僕が本当に愛してるのはリディアだけだから」
「これが焼いてるように見えるのなら、あなたの目はそうとう節穴だってことよね」
「恋は盲目っていうからね、それも仕方ないかな」
堂々と別の女性とキスをしていたような男に、恋は盲目だなんて間違っても言ってほしくない。
これ以上会話を続ける気にもなれなくて、あたしは無視して歩き出した。だれのためにこんな苦手なパーティーに来ていると思ってるのだろう。ううん、エドガーのためなんて思うからいけないのよ。 だれのためでもない、自分のためって思えば、少しはこの腹立ちだっておさまるはずだもの。
「君を待っていたのに、僕を置いて行ってしまうつもり?」
「だれも待っててほしいなんて言ってませんから」
あたしのこういうつんけんした態度が、傍から見て可愛げがないって思われているのは知っているけど、こいつにばかりはどうしたって優しい言葉なんてかけられない。
いっそ、エドガーもそう思ってくれればいいのに。
「だって君は、一人でうろつくと迷うだろう」
「迷わないわよ、失礼ね」
「じゃあさっきからホールとは正反対に向かってるのはなぜだい?」
「…………」
それならそうと言ってくれればいいのに。
くるりと踵を返す。こっちでいいのかよくわからないけど、エドガーは何も言わずに付いてくる。
「もう言ったっけ? そのシフォンクリームのドレス、君にすごくよく似合っている」
「あぁそう」
「……僕の言うことなんて、まともに聞いてもくれないのか」
寂しそうにエドガーは呟く。
浮気をしていた奴が何を言ってるのよ、とあたしは呆れる。
けれどちらりと振り返って覗いてみれば、エドガーの口元に浮かんだ切なげな笑みが目に入ってしまって、あたしはとたんに後悔した。
いくら何でも、少しきつすぎたかもしれない。少なくとも今のエドガーは普通に声をかけてくれたんだから、あたしだって普通に返事をすべきだった。
「ちゃんと聞いてるわよ。だから返事もしたでしょ。お下がりのドレスだけど、似合ってるのなら良かったわ」
苛立ってるからって、余計なことまで言ってしまったかも。
「お下がり?」
エドガーに腕を引かれて、立ち止まらずにはいられなかった。
振り返ると、エドガーはさっきまでとは違った真面目な、それでいて不機嫌そうな顔であたしを見下ろしてきた。
「お下がりってどういうこと? 君に姉はいなかったはずだけど」
「姉はいないけど……父さまが知り合いからもらってきてくれたの」
「知り合いって?」
「学生さんでしょ」
詳しくは聞いていないけど、着なくなったドレスを譲ってくれるような若い女性の知り合いが、学生以外にいるとは思えない。
「君はどうして、そういう肝心なことを僕に何も言わないんだ?」
だれにお下がりをもらったかなんてことも、一々報告しなきゃいけないってこと?
どうしてそんなところまで束縛されなきゃいけないのよと、思わずむかっとしてしまう。
「あたしがだれに何をもらおうが、そんなことはあなたに関係ないでしょ? 束縛しようとするのは止めてくれる?」
エドガーは珍しく、本気で腹を立てているようだった。少なくともあたしにはそう見えた。
「そうじゃない。だれも束縛しようとだなんて……。今まで出かけた時に着ていたドレス、あれも全部もらい物なのか?」
「全部じゃないわよ。少しは自分で買ったのもあるけど……」
ため息を吐かれた。
「悪かったわね、貧乏で。あなたの家とは違うのよ。そんなことよくわかってるでしょ?」
どうしてこんな惨めな会話をしなきゃいけないのだろう。
さっさとホールに戻りたい。そう思って歩き出そうとしたのに、エドガーは腕を離してくれない。
「離してよ」
「明日は、暇?」
「何で?」
「暇だったら僕に付き合ってくれないかな。君にドレスをいくつか仕立てたいんだ。もちろんそれはプレゼントするよ」
お下がりばっかり着てるあたしを哀れにでも思ったわけ?
「悪いけど遠慮します。誕生日でもクリスマスでもないのに、プレゼントしてもらう理由なんてありませんから」
本当は、誕生日でもクリスマスでも遠慮したいところだけど。
「婚約者にプレゼントをするのに、理由なんていらないだろう?」
「愛し合ってる婚約者同士だったら、確かにそうかもしれないわね」
「僕は君を愛してるよ」
「よく言うわ」
あたしは呆れて笑った。
もしかしたら、あたしにとっての『愛してる』と、エドガーにとってのその言葉は意味が違うのかもしれない。
エドガーにとっては、挨拶と似たようなものなのかも。キレイな女性がいたら、きっと挨拶代わりにでも「愛してる」ってささやいているのかもしれない。そうに違いない。
「とにかく、明日は一緒に出掛けよう。昼前に迎えに行くから準備をしておいてくれ。いいね?」
「いいってば。どうしてあなたと二人で出掛けなきゃいけないのよ。ドレスも仕立ててくれなくて結構ですから!」
「僕の仕事の関係上、これからもこういうパーティーに招かれることはたくさんあるんだ。そんな時に、君に二度とだれかのお下がりのドレスなんて着て欲しくない。 家族や親戚からのもらい物ならまだわかるけど、それもだれかわからない相手からのもらい物だなんて二度とごめんだ」
そう言ってエドガーはあたしを、……ううん、あたしの着ているシフォンクリームのドレスを眺める。
さっきは似合ってるって褒めたくせに、今はまるで何か汚い物でも見ているかのような視線だった。どうしてそんな目で見られなきゃいけないの?
「僕が気づくべきだった。もっと早く君にプレゼントしておけば良かった」
そんなにお下がりっていうのは、エドガーにとって恥ずべきことなのだろうか。
もらい物だけど、それでもどこも汚れてなんかいなかったし、可愛いドレスだとあたしは思って気に入っていたのに。そんな気持ちも全部、思い切り踏み潰されたような気になった。
「自分の婚約者にドレスをプレゼントすることなんて、ごく当たり前のことだよ。何も気に病む必要なんてないんだ、リディア。僕がしたくてしてるだけなんだから」
「……そうよね。お下がりのドレスを喜んで着てる婚約者なんて連れて歩くのは恥ずかしいものね」
「何もそういうことじゃ―――」
エドガーの腕が少し緩んだ隙に、あたしは歩き出した。
元々こんなパーティー、乗り気でも何でもなかったけど、今はもう一秒でも早く帰りたくて仕方がなかった。
クリーム色を見るだけで、きっと今日の日のことを思い出すんだわ。
「昼前に行くから。覚えておいてくれ」
「来ないで」
「……どうして君はそういつも意地を張ってばかりなんだ?」
いつも。
自分でも少しはわかっていたけど、やっぱりエドガーにもそう思われていたんだわ。仕方ない。こんな可愛くない性格なんだもの。気だって強いし、エドガーに笑顔を向けたことなんて一度だって無いかもしれない。
何か言い返したかったけど、廊下の向こうから歩いてくる人影が見えて、あたしは一度口を閉じた。知らない人だけど、言い争っているところなんて見られたくない。エドガーとあたしが言い合いをしていたら、 だれだってあたしが何か文句をつけているように見えるだろうから。
「……買い物には行くわ。でも、迎えには来ないで」
精一杯の妥協案。普通の住宅街に、名前は知らないけど外国産の、派手な高級車で迎えになんて来られたらたまらない。
「わかった。じゃあ待ち合わせにしよう。場所を決めたら後でメールをしておくよ。それでいい?」
「えぇ」
今日のパーティーが終わったら、しばらくは顔を合わせなくて済むと思ったのに。どうして休日までこいつに付き合わなきゃいけないのだろう。
思わずため息がもれた。
「君は僕といると、いっつもそんな顔ばかりしているね」
女性を楽しませるのは得意のはずなんだけどなと、エドガーは残念そうに呟く。
そうね。大抵の女性なら喜ぶんでしょうよ。あたしは残念なことにその中には含まれないけど。
「一体、僕の何が気に入らないのかな」
全部よ、とあたしは心の中で舌を出した。



+



出掛けるのは正直憂鬱だった。
あまり人ごみは得意ではないし、都会での買い物も性に合わない。何より、どうして二日も続けてエドガーと顔を合わさなきゃいけないんだろうと思えば、電車に乗りながらも気分はどんどん沈んで行った。
何が嫌なのかも、もうよくわからなくなってくるけれど、とにかく嫌なのだ。
ドレスでも何でもいいけど、適当な物を選んだらさっさと帰ってこよう。早く家でのんびりしたい。元々が田舎育ちのあたしは、電車から降りて、早速の人の多さにそれだけで疲れてしまう。
どうしてだれもかれもが、あんなに急いでいるのだろう。中には確かに時間の無い人もいるのだろうけど、まさかここに集まってきている人たち全員がそうだなんてとても思わない。 少しゆっくり歩いていると、それだけで軽くぶつけられ、追い越していく人がいる。都会のペースはあたしには合わない。どう考えたって。
何とか駅を抜け出してほっとした。それだって、依然人が多いことには変わらないけど。待ち合わせの時間まで、まだあと十分以上もある。
「あの、すみません」
少しでも人の少ない所を、と思って歩いていたら声をかけられた。
気の弱そうな、でも人の良さそうな男の人だった。あたしよりもずいぶんと年上な。といっても、まだ三十には行っていないぐらいだと思う。
「この辺りで、コンビニって無いですかね。探してるんですけど」
突然声をかけられて驚いたあたしに、男性は重ねて尋ねてきた。
あぁ、なんだ。コンビニを探してるだけなのね。
でも少し疑問に思う。だって駅に入れば、売店なんかいくらでもあるのに。
「売店だったら、駅の中にもありますけど」
「チケットの引き換えがしたいんですよ。それで探してるんですけど……」
探している具体的なコンビニ名を言われて、あぁそうなの、と納得した。確かにそのコンビニで駅の中には無かったかもしれない。
少し記憶を手繰った。友達と遊びに何度か来たことがあるぐらいだから、なかなかはっきりとしたことは思い出せないのだけど。それでもこの前遊びに来た時に、この近くでコンビニに入った覚えがある。確かそう、探しているコンビニだったような。 「もし違ったら悪いんですけど……」
と前置きをして、何とか説明をする。
あたし自身、記憶はうろ覚えなものだから、本当に曖昧な説明になってしまった。
「多分合ってるとは思うんですけど、もし間違ってたらごめんなさい」
「いえ、すごく助かりました。さっきから色んな人に尋ねたんですけど、だれも聞いてくれなくて」
都会はそうかもしれない。
「あたしも、よく人に道を聞くことがあるんで」
だからお互い様ですと笑ってみせた。
てっきりすぐにもコンビニに向かっていくかと思ったのに、なかなか男性はこの場から立ち去ろうとしない。何だかおかしい、と頭の片隅でぼんやりとそう思う。
「実は最近この辺りに越してきたばかりで。全然この辺りのことがわからないんで助かりました。地元の方なんですか?」
「いえ、あたしは違うんですけど……たまに遊びに来るぐらいで」
「そうなんですか。でもじゃあ、多少はこの辺りのことにも詳しいですよね」
曖昧に頷く。そりゃ、引越してきたばかりの人よりは詳しいだろうけど……。
「あの、良かったら、友達になってくれませんか」
「は」
「まだこの辺りに知り合いもいなくて。良かったら。どうですか」
どうですかって。
何でこうなるの?
「この辺りのことを教えてくれる人がいたらいいなぁと思って。すごく助かるんですけど」
「え、えっと、そうですね……」
「いいですか? じゃああの、まず携帯番号交換しましょう」
人の良さそうな、と思った優しげな男性の顔立ちが、こう言っては悪いんだけど、少し気持ち悪く思えた。
だって、普通こういう流れで友達になるものなの? コンビニを探してると言ったのも、何だかただの口実や嘘だったんじゃないかって思えてくる。
なのに足は動かなくて、顔は適当に笑顔を作っている。どうすればいいのかわからない。
「あ、あの、すみません。あたし、人と待ち合わせしてるんで……」
やっとそれだけを言って、逃げようとしたら腕を掴まれた。
「とりあえず、番号交換するだけでもいいんで。僕の番号教えるんで、今かけてもらえますか? それで登録しちゃいます」
怖い、と、思った。
道なんて教えなければ良かった。
掴まれた腕を、振り払うこともできなくて、ただ怖いと思いながら立ち尽くしていた。あたし、何をやってるの?
「そういえば、名前、何ていうんですか」
「あ、あたしは―――」
どうしよう。
「リディア?」
「……あ」
いつもならその声を聞いただけでも気分は滅入るのに、今は泣きたくなる程ほっとしてしまった。
現金すぎるわ、あたし。
滅多に名前を呼ばないものだから、今も口の中で小さく呟いただけだった。エドガーに聞こえたかどうかなんてわからない。あたしじゃなくて、あたしの腕を掴んでいる男性の顔を睨みつけていたから。
「君は? 僕の連れに何の用だ?」
「……や、いや、道を聞いただけで」
もごもごと呟きながら、あたしの手を離す。そして、何か謝るようなことを言いながら、そそくさと人波の中に消えて行ってしまった。
あっけなさすぎて、少し驚いてしまう。
「リディア」
強い声で名前を呼ばれて、顔を上げる。
「どうして君は、あんな男に手を掴まれて大人しくしてるんだ? 嫌なら嫌だって言わなきゃ駄目だろう」
別に、大人しくてしてたわけじゃない。
どうすればいいのかわからないのと、驚いたのと、あとは怖いので、どうにもできなかっただけ。
そんなこと、この人は何にもわかってくれないんだわと思ったら、助けてくれたことも忘れて責めたくなった。それ以上に悲しくなった。あれ、こんなのおかしい……。
「リディア?」
あたしのことを見ないでほしい。
こんな、泣きそうになってるだなんて、自分でもバカみたいだとわかってるから。
エドガーに顔を覗き込まれる。隠しようがなくて、あたしは必死になって唇を噛み締めた。
「ごめん。強く言い過ぎた」
驚いたようにエドガーが呟いた。
「ごめん、リディア。謝るから……泣かないでくれ。リディア」
「……泣いてないわよ」
泣きそうになってるだけで。
こんな街中で、周りに人がたくさんいる中で、みっともなく泣くような真似はあたしだってしたくない。堪えて、もう大丈夫と思ったから顔を上げた。
目に見えてエドガーはほっとしたようだった。演技なのか本心なのかよくわからなくて、あたしは戸惑う。
「とりあえず、場所を移そう。君が好きそうなカフェを知ってるんだ。どうかな」
「えぇ」
周りの視線は確かに感じていたから、あたしは素直に頷いた。
エドガーに腕を引かれる。さっきの男性と同じように、手首を掴まれる。
それでも不思議と嫌だとは思わなかった。嫌だと思わないことを疑問に思いながら、でも振り払う気にもなれなかったからそのまま歩き続ける。
「何だったんだ、さっきの男は? ナンパ?」
「よくわからないの。コンビニはどこって聞かれて……教えてあげたら、友達になりませんかって言われて」
「……性質の悪いナンパじゃないか」
腕ぐらい折ってやればよかった、なんて物騒な呟きが聞こえた。冗談よね。
「君はどうしてああいうくだらないナンパ男に引っかかるんだ」
「だって、そんなの……道を聞かれたから教えただけで、あたしは」
最初から友達になんて言われてたら、立ち止まらずに逃げてたわ。
「僕に普段言ってるように、はっきりと断ればいいんだ。どうして僕以外の男にはそうできないんだ?」
「……あなたじゃないもの」
自分でも、よくわからない言い訳。
信号待ちで立ち止まりながら、エドガーは呆れたように肩をすくめた。
「婚約してるんだから、僕にはもうちょっと打ち解けてくれたっていいのに……その分、ああいうろくでもない男に強くあたってほしいところなんだけどね」
そんなこと言われたって。
婚約なんて、一方的な話じゃない。あたし達は別に好き合ってるわけでもない。そう言いたいのに、信号が青になって歩き出してしまったら、何となくタイミングを無くしてしまった。
ありがとうって。
助けてくれてありがとうって。言いたかったのに。
エドガーが胸ポケットから携帯を取り出した。どうやら電話がかかってきたらしい。あたしの腕を掴んだまま、もう片方の手で携帯を耳にあてる。
「あぁ……うん、元気だよ。ちょっと仕事が忙しくて。大丈夫だよ。でもごめん、今はちょっと取り込み中で」
女の人だ。
どうしてか、直感的にそれがわかった。
「うん、後でまた電話するから。ごめんね。うん、じゃあまた」
通話はすぐに終わった。あたしに気を使ったのかとも思ったけど、そんな気配りのある奴だったら、そもそも浮気なんてしないはずだ。だからきっとただ単に、話したい気分ではなかっただけなんだろう。
「美味しい紅茶とケーキを出す店なんだ。きっと君も気に入ってくれると思うな」
そして、何でもない顔でエドガーは笑う。
本当に、最低な男だわ。
そう思うのに、それなのに、あたしは掴まれた腕を振りほどくことができない。嫌だと思えないから。むしろ、どこか安心してしまうような気すらするだなんて、間違っているとしか思えない。
あたし、どうかしちゃったんだわ。
さっき、あんな人に声をかけられたばかりだから。だから多分、エドガーなんかに安心してしまえるのよ。
「……最低」
そんなエドガーも、あたしも。
「何か言った?」
「暑いわねって言ったのよ」
早くこんな婚約、解消すべきかもしれない。
久々の伯妖サイト更新がこんな話でごめんなさい。
リディアがエドガーを嫌っている、とかいうシチュがすごい好きだったりします。
原作設定のらぶい話も好きなのですが、そればっかりだと胸焼けしそうになります。
こういう妙なシチュの方が私は萌えるなぁ。みんな色んなシチュの話を書いてほしいよ!
ちなみに現代物です。二人が婚約した経緯は、考えてあるのですがあえて書きませんでした。ご想像下さい。


(08.7.14)